文章の感情表現が苦手な人へ〜3歳のころの感動力はよみがえる

魅力的な文章表現に欠かせないのが、生き生きとした感情の表現です。
それができない悩みをよく聞くのですが、思い出してください。

 

あなたが子供のころ。

 

きっと、いろいろなことに感情を素直に表現できたと思うんです。
この記事では、そのころに立ち返る方法をお話しします。

 

 

子どものころを思い出してみよう

 

思い出してみましょう。
あなたが子供のころ。

 

どんなテレビを見ていた?
どんな遊びをしていた?
何が怖くて、何が面白かった?

 

きっと、大人になってみたらどうってことないものでも
めずらしく感じたり、
「これ、なに?」って、不思議に感じたり、
面白い、ワクワクすると感じることが多かったのではないでしょうか?

 

そしてワクワクすることを見つけたら
さらに
「えっ?」
「どうなってんの?」
「どうして?」
と、
大人に次々と質問していたのではないでしょうか?

 

 

たとえば私は、公園で寝転がって空を見るのが好きでしたが、
空の雲がいろいろな形に見えて、また、
夏なんか、雲の形が山々に見えて、その山に登りたいなあと思ったものです。

 

私たちは
子どものころは、
自分の好きなこと、興味あることにワクワクしていたし、
興味があったら質問していたし、
また、いろいろなものを豊かにイメージしていたと思うんです。

 

子どものころは
ふつうに、
「感動力」があったと思うんです。

 

それが
学校に行って、社会に出て、
自分の気持ちとは違う外の世界に折り合いをつけ
それが習慣になって、

 

感情をズバッと出してはいけないと
思いこむようになっていることが多いんです。

 

そう。

 

好きなことを我慢して、お預けにする、
自分が興味あることじゃなくて、しなければならないことをする。

 

これが、社会での私たちの習慣になってしまったんです。

 

だから
文章を書くときも
「素直になってもいいんだろうか‥‥?」
と無意識に戸惑うわけなんですね。

 

でも

 

ズバリ言いますよ。

 

 

子どものころのように
素直になっていいんだ。

 

 

好きなことは思いっきりワクワクしてもいいし、
心の中でどんどん質問してもいいんだ。

 

でもそう簡単にいかないから、あなたは悩んでるんだよね。
そこで、簡単にできる学習法をこれからお話ししましょう。

 

母が読んでくれた絵本の思い出

私の母は、今でこそ、重度要介護でしゃべることもできませんが、

 

私が幼いころ、
よく、母は絵本を読み聞かせてくれました。

 

でも覚えているのは
絵本の内容じゃなくって、

 

母の、とてもひょうきんで面白い語りです。

 

 

 

なんだか
引き込まれるようで、絵本の絵だけじゃなくて
心の中で物語が動画のように動き出していました。

 

桃太郎がいつの間にか、金太郎になっていたり、
話はめちゃくちゃだったのですが、

 

話の内容じゃなく、
私は面白くて転げまわっていました。

 

母は、絵本を読み聞かせるとき、
ただ書いている字を読むのではなく、
話と話の間に「間合い」があったり、リズムがありました。

 

次に何かが展開するとき、
(例えば、主人公が島に到着して、何が出てくるやらとドキドキし
鬼さんが出てくるときなんか)
「なんだと思う?」
など、
なぞかけしたり、
答える時間や、かみしめる時間をおいて読んでくれました。

 

こたえる時間、かみしめる時間をあげる

 

そこには
文章を読むだけじゃない、対話がありました。

 

紙芝居の不思議

 

私にはもう一つ、忘れられない思い出があります。
あのころは、レンタルDVDも、レンタルビデオもなくって、
紙芝居のおじさんが、自転車に乗ってお話をしに来たのです。

 

おじさんが来たら
みんなが集まりました。

 

 

ここでも、忘れられないのは、
紙芝居を一枚一枚めくるごとに、

 

「なんだと思う?」

 

とか
「それでどうなると思う?」

 

とおじさんが謎かけて、
「ハイッ」と手を挙げて、答えた。

 

ストーリーからあまりにも外れた奇想天外な意見を言ったら、
おじさんは
「違うんだな」といわず、

 

その奇想天外な展開に沿って
オリジナルのストーリーを即興で作って、続けてくれた。

 

 

おもしろかったな。

 

 

 

ここにも、
紙芝居の裏に書いてある文字を読むだけじゃなく、
対話があった。

 

そう、
私の母も、
紙芝居のおじさんも、
対話をするように表現していたんですね。

 

対話っていうのは
一方通行じゃない。

 

問いかけて
答えを待って
時間がかかっても、ゆっくり待って、
どんな答えが返ってきても
OKと言って、展開してくれる、

 

そんな温かいものじゃないかなと思うのです。

 

絵本の読み聞かせを再体験する

 

このように、
絵本や紙芝居の読み聞かせには
ただ読むだけでなく、

 

どこに感情を込めるか、
どこで間を開け、
どこで問いかけ、対話をするかという
イキイキとした感情表現のヒントが詰まっています。

 

だからまず、
図書館などに行って、
バカバカしいと思わないで、キッズコーナーに行って絵本を読んでみてください。

 

 

絵本には
イキイキとした、感情の詰まった文章がいっぱいです。

Виктория БородиноваによるPixabayからの画像)

 

そしてその絵にも、文章にも、浸ってみてください。

 

しばらく浸っていると、
幼いころ、だれかに絵本を読み聞かせしてもらったことをきっと思い出すと思います。

 

このように、
絵本を手にしたら、
かつて読んでもらっていたことを思い出す。

 

そして、チャンスがあったら、
誰かに読み聞かせしてあげるといいですよ。

 

あなたに小さなお子さんがいるなら、
ぜひ読み聞かせしてあげてください。
対話して、じっくり答えを待ちながら、子どものペースで。

 

もしあなたが独身でも、読み聞かせのボランティアに参加してもいいし、
自分自身に読み聞かせしてあげてもいいですね。

 

絵本の読み聞かせは、
大人のあなたにも絶大な効果があります。
Виктория БородиноваによるPixabayからの画像)

 

 

今日のお話のまとめ

 

今日は、感情表現を学ぶコツの一つとして、
絵本の読み聞かせや紙芝居を例にとってお話ししました。

 

まず、私たちは子供のころ、感情に素直だった。それを忘れてしまっているから、思い出そう。感情に素直になってもいいんだ。

 

一つは、絵本の読み聞かせの思い出。そこには、ただ文章を読むのではなく、間合いや、リズム、対話があった。

 

一つは、紙芝居の思い出。次の展開を問いかけられ、答える中に、何通りものストーリーが展開した。ここにも、対話があった。

 

対話とは一方的なものではなく、答えが返ってくるまでじっくりと待ち、どんな答えでもOKという優しさがある。しして、対話のキャッチボールを通じてストーリーは何通りにも展開できる。

 

だからあなたも、読み聞かせ、対話を再体験しよう。図書館などで、絵本を読んでみよう。チャンスがあれば、誰かに読み聞かせをしよう。相手がいなければ、自分に読み聞かせしてあげてもいい。

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