令和2年7月豪雨で被災した人へ〜公的支援を手堅く受けるために
「令和2年7月豪雨」気象庁により7月9日に命名されました。
今も被害が続いている災害ですが、
政府や自治体は、被災者の方がいち早く公的支援を受けられるよう対応中です。
この記事では、受けられる公的支援を知り、迅速に相談できる助けとなる情報を書きます。
令和2年7月豪雨よ、もうやんでくれ!
もうやんでくれ!
これ以上、私たちを苦しめないで!
そう叫びたいです。
梅雨前線の異常な発達と停滞で、
7月3日から降り続いた豪雨は熊本県南部と鹿児島県を襲い、
球磨川流域ではこれまでにない被害をもたらし、
今も九州北部、長野県、岐阜県そして関東東海地方を苦しめ続けています。
気象庁は7月9日に、この継続中の豪雨を
「令和2年7月豪雨」と命名しました。
こうして命名されることで、その災害が様々な公的支援の対象になります。
そして
災害継続中も、被災した方々が迅速な公的支援を受けられるよう、
政府や自治体が動き出しています。
だから
「どんな支援や補助があるのか」、
「私は支援を受けられるのか、該当するのか」
まず知ることが大切。
知ることで、先の見通しを立てることができます。
そして、避難所や、自宅を巡回してくれる災害担当職員に
気になることを申し出て
詳しいことや具体的な手続きの方法など、専門の係職員につないでもらいましょう。
立ち上がった球磨川被災地域の支援体制
令和2年7月豪雨が最初に襲い掛かったのは熊本県南部地域。
私の古代笛の師匠もオカリナ友達もおられ
一時消息が絶えてとても心配でしたが、ようやく無事を確認しました。
私のオカリナ友達も多くおられる球磨川沿いの地域では、
かつてない規模の支援が必要な状況ですが
コロナウイルスの事情も考慮され、
これまでの災害の教訓からも工夫され
柔軟な支援体制が立ち上げられています。
「プッシュ型支援」で政府の職員を直接派遣
そのひとつに「プッシュ型支援」があります。
プッシュ型支援とは、自治体の要請を待たず、
政府が緊急に直接必要な物資や、支援職員を送る方法で、
現地には、簡易ベッドや空調機、衣類、衛生用品などが素早く送られ、
政府職員も現地入りしていると聞きます。
「みなし仮設」の設置〜民家やホテルも仮設住宅に
また、今回の災害では、相当数の家屋が流されたり倒壊し、
仮設住宅に住みたいという要望が非常に多く、建築が間に合わない。
これを受けて
民間の住宅などを借り上げる「みなし仮設」が設置されます。
「みなし仮設」は、一般の住宅だけでなく、旅館、ホテル、公共宿舎など
広い範囲で対応されると聞いています。
「り災証明書」発行のための応援職員の派遣
また、住宅被害の復旧などの給付や貸付を受けるにあたり
「り災証明書」の発行を市役所に申請する必要がありますが、
この事務が現地だけではパンクするので、
他の自治体から応援職員が派遣されています。
コロナに配慮した球磨川被災地域の避難所体制
球磨川沿岸の被災地域では、避難所が設置され運営されていますが、
予想外の多くの人を迎えている一方で
コロナウイルスの感染対策がしっかりとられています。
先に述べた「プッシュ型支援」で、
衛生管理に必要な物資(リモート体温計、空調設備、消毒資材など)が
いち早く届けられ、
段ボール製の簡易ベッドの間隔をあける、
家族ごとの仕切り板をしっかり設ける、
空調設備と換気対策など
コロナウイルス感染防止への配慮も徹底されていると聞きます。
今後設置される、各地の避難所も、
同じようにコロナウイルスの感染防止対策が取られると思います。
保険証や通帳なんか無くても大丈夫
災害に関するいろいろな支援を受けるとき、
保険証や通帳、印鑑がなくて・・・
と心配することもあると思います。
でも大丈夫です。
危ない中を取りに帰る必要なんかありません。
本人確認ができればいいんです。
しかも、そのために運転免許証がいるということもありません。
口頭で名前や住所が言えたらOKです。
(写真は参考。京都府の災害避難総合訓練での写真です。)
避難生活が長くなれば、お金の心配も‥‥
でも銀行の移動ATMもやってきます。
ローンが払えない場合の「自然災害債務整理ガイドライン」
ふつう、ローンがもはや払えなくなったという場合、
弁護士や司法書士に依頼して、債務整理から、個人再生、自己破産という方法で
ローンの返済を減免してもらう手続きをします。
でも
災害に被災した場合、自己破産などの手続きを取らなくても
有利な条件で返済を減免してもらえるということを知っておいてください。
それは
「自然災害債務整理ガイドライン」に基づく手続きです。
今回の令和2年7月豪雨はこのガイドラインの適用を受けます。
このガイドラインで手続きをすることで得られるメリットとして
ということがあります。
「自然災害債務整理ガイドライン」の適用を受けたい場合、
最も借入額の多い銀行や金融機関の窓口で受け付けてもらえます。
受付の際、金融機関では、
借入先、借入残高、年収、資産(預金など)の状況などの必要事項を聴き取りますので、
可能な範囲で借入れの状況などをメモ書きにしておくとスムーズです。
ただし、注意していただきたいのは
この制度を利用できるのは、個人と、個人事業主だけであり、
法人は受けられません。
「自然災害債務整理ガイドライン」の詳細は、
「政府広報オンライン」で確認施来ます。
住んでいた自宅が壊れて住めなくなった場合の公的支援
今回の災害で
自宅に被害を受けた方は数多くおられるでしょう。
気象庁が「令和2年7月豪雨」と早期に命名してくれたおかげで、
早期に公的支援が受けられるようになりました。
家が全壊や大規模な半壊になった場合
「被災者生活再建支援制度」による給付が受けられます。
また、災害により負傷又は住居、家財の損害を受けた方に対して、
「災害弔慰金の支給等に関する法律」に基づき、
生活の再建に必要な資金を貸し付ける「災害援護資金」の制度があります。
自宅の修理を依頼できる公的支援
さらに
半壊や一部倒壊で修理する場合は
「住宅の応急修理(災害救助法)」制度による修理をしてもらえます。
(59万5千円までで、準半壊の場合は30万円まで)
ただし、この制度を使う場合、
気をつけるべきことがあります。
これは自治体が直接業者に依頼して修理をする制度なので
自分で業者を頼むことは出来ません。
先に業者に修理をしてもらって領収書をもらっても
支援してもらえないので注意が必要です。
また、この制度を使ってしまうと、
仮設住宅に入居できなくなるというデメリットもあるので、
今後どのように生活設計をしていくのかを考えたうえで決めましょう。
公的支援に必要な「り災証明書」
これらの公的支援を受けるためには、
「り災証明書」を発行してもらうことが必要です。
この証明書は、水害の場合、
市町村の担当係に申請します。
(申請期限があるので注意しましょう。
市町村や、災害の態様により、期限がいろいろありますが、
だいたい災害を受けてから3か月ほどです)
申請したら、
市町村の調査員による調査が行われ、
審査ののち認定されたら
り災証明書が交付されます。
調査でスムーズに認定してもらうコツとして、
被害にあった住居が撤去される前に、
被災状況の写真を撮っておくことです。
外観に加え、細かい内部の写真も撮ることにより、
調査員が事情をスムーズに理解できます。
ただし、
災害が現に続いているときに写真撮影に行くのは危険です。
また、建物の状況によっては、風水害がおさまっても中に入るのは危険なので
慎重にしてください。
事象がおさまって安全が確認されてからにしてください。
わからないことは、避難所などのスタッフに聞こう
以上、いろいろな支援制度があることを簡単にお話ししましたが、
詳しいことは
内閣府が「被災者支援に関する 各種制度の概要」を出しています。
こちらからPDFをダウンロードできます↓
http://www.bousai.go.jp/kyoiku/pdf/kakusyuseido_tsuujou.pdf
また、
避難所の入り口などに、きっと、公的支援のパンフレットが置いてあるはずです。
もしそのようなものがなくても
避難所スタッフ(カラフルな色のビブスをつけた人)のだれでもいいので聞きましょう。
必ず詳しい係員につないでくれます。
この記事のまとめ
今回は、長い説明になりましたが
公的支援には様々なものがあり、ここには書ききれません。
詳しくは避難所などにいる市町村スタッフに聞いてみましょう。
まとめは以下のとおりです。