タイトル超思考術9〜読者の意表を貫くギミック3つのレシピ

タイトルのつけ方,思考術,読者,ギミック

広告や、映画のタイトル。
全く発想もしない言葉で意表を突かれることがあります。

 

新しい言葉を作る、
または、なんでもない言葉に一工夫して、激烈なインパクトを作る手法で、
「おっ!なになに?!」と
注目を惹きつける手法、

 

この仕掛けの仕組みに迫ります。

 

見る人の意表を突く「新語ギミック」法とは

 

前回の記事では、何かを感じたときに思わず口から出る言葉のパワーをタイトルに使う技をお話ししました。

 

今回の記事でお話しするのは、
まったく新しい言葉を創造したり、普通の何でもない言葉にあることを施す、痛烈な手法です。

 

まったく関係のない言葉が合わさっていたり、
全く新しい言葉を目にしたら、
「お、何だろう?」と、
つい見てしまいませんか?

 

内容はさておき、
まず目を惹きます。

 

もちろん、注目させておいて内容がショボかったらひんしゅくを買いますが、
どんなに渾身の内容でも、まず見つけてもらわないと始まらないので
こういう手法も大いに活用すべきです。

 

この手法を、私は「新語ギミック」と呼んでいますが、
新語のようで新語でないものもある中で、新しいインパクトをかもし出している、
これはまさにギミック手法の応用です。

 

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以前あるバラエティー番組で

 

「バーベキューグリルでうまいステーキを焼くミシシッピ法」

 

なんて言ってましたが

 

「なんだろう・・・アメリカ式?」とか思ったら、

 

なんてことはない、
水鉄砲で肉に水をピュッピュかけるだけの話ですが、
その水鉄砲から水を出す感じが
「ピピピッピ=ミシシッピ」ということで
「ミシシッピ法」なんだそうです。

 

アホか!と言って私も奥さんも転げまわりましたが、
転げまわるほどインパクトが強かったわけです。

 

内容はさておき、
興味関心を惹きつけた「ミシシッピ法」は
私の中ではマルです。

 

また、
例えば、

 

「ノイマン型魔幻 De Lorean」

 

という名前の教材ですが、

 

「何だろう?」と思いませんか?

 

これはもう今は販売されていませんが、
携帯(しかもガラ携)だけで完結する、情報販売の裏技がびっしり詰まった教材です。

 

坂田友康さんの教材で、
この教材の名前は、
全く新しい言葉が使われています。

 

何が「ノイマン」なのだろう?
と思いましたが、
教材の中身を見て
「ノイマン」には特に意味がないことがわかりました。

 

というか、
「ノイマン型」
「魔幻」
「De Lorean」
自体、新しく作った言葉で、
それを題名に使うこと自体に意味があったわけです。

 

これはまさしく、

 

全く新しい言葉を作って


「おっ!」と思わせる「新語ギミック」です。

 

新語ギミック成立の条件

 

ちなみに、この「新語ギミック」が成立するには条件があります。
新語にひかれて内容を開けたとき、

 

期待値以上に内容の質も量も凄いこと、
良い方向でサプライズできることです。

 

坂田さんの新語ギミックを使った教材が成立していたのは
その内容が、期待していた以上に充実しており、
また、アフターコンテンツも告知以上に次々と届けられたからでした。

 

もしその逆で
新語にひかれて中身を見たら、
内容がありきたりだったり、悪い方向で期待を裏切られたら、
もう二度とその人の書いたものは読まないでしょう。

 

 

普通の言葉でも合体したら100倍パワーの合体ロボ方式とは

 

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何でもない普通の言葉も合体すればヤバくなる

 

その言葉単体では何とも感じない普通の言葉ですが、
その普通の言葉を2つ以上合体させて
新しいインパクトを打ち出す方法があります。

 

 

大ヒットしているものの多くで、
言葉と言葉を合体させて新しい言葉が作られていることに、
気が付きましたか?

 

例えば、もう今やみんなが親しんでいる

 

「ポケモン」
これは

 

小さい + モンスター

 

の合体で
「小さい」を表すいろいろな言葉の中から
「ポケット」がインパクトあるということで
ポケットモンスター 略して ポケモンという言葉が誕生したわけですね。

 

 

「妖怪ウオッチ」
「妖怪」と「ウオッチ」という、
普通の言葉ですが、その組み合わせが意外に面白いという発見から

 

妖怪+腕時計=妖怪ウオッチ が誕生したわけです。

 

このように、
言葉と言葉を組み合わせて新しい言葉を作るというのも
インパクト戦術の一つになります。

 

 

もうひとつ、コンビニで見つけた事例ですが

 

「爆弾にぎり」

 

100円のおにぎりの3倍くらいの大きさで
いろいろな具が入っていて、ボリュームがハンパない。
食いしん坊の私さえ、1個で腹いっぱいになりました。

 

このおにぎりの命名のプロセスは・・・

 

大きい + おにぎり

 

で、「大きい」をいろいろなほかの言葉に置き換えて考えた。
それで「爆弾」がインパクトが強いので
「爆弾にぎり」にしたら、
驚くほど売利上げが上がったということです。

 

合体ロボ方式の手順

 

では、
なんでもない言葉と言葉の組み合わせで、
意外性を発揮する方法を見つけるには、どういう手順があるのでしょうか?

 

まず、メインとなる言葉を決めます。

(ポケモンなら、「モンスター」)

 

次に、それを補足する言葉を決めます。

(例えば、「小さい」という形容詞や、「妖怪」と組み合わせる「腕時計」)

 

次に、その補足する言葉と同じ意味の言葉をいっぱい挙げて、並べてみます。

「小さい」→「ミニ」「プチ」「豆」「ポケット」「手のひらサイズ」「ちい」など
カードや付箋を活用するといいでしょう。

 

次に、並べてみた中で、何通りか違う言葉で置き換え、組み合わせてみる。

 

それらの中から、最もインパクトや意外性の強い組み合わせを選ぶ。

 

この手順で思考すると、インパクトの凄い目立つ新語ができるわけです。

 

いちど、
ゲーム感覚で
一人でも、グループでもやってみると、とても楽しいですよ。

 

 

読み方を変えるだけで新語になる「ペレヴェスチギミック」

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また、
お馴染みの言葉でも、
読み方を変えるだけで、全く新しい印象になり、
「お、何?」になるから不思議です。

 

例えば、
新約聖書の巻末で有名な

 

「パウロの手紙」

 

これは、
当時キリスト教を全く知らなかったエーゲ海や地中海世界に
社会変革をもたらした、歴史を変えた手紙集ですが、

 

これをただ単に
「歴史を変えたパウロの手紙」
にしても、
「あ、あれね。」
で終了です。

 

これを
「世界を変えた驚異のパーヴェル文書」
にしたらどうでしょう?

 

もしかしたら、
「何?読んでみたい」
になるかもしれません。

 

(実際に私は、
「パウロの手紙」を、キリスト教という切り口ではなく、
ソーシャルアクション、社会変革の手法という切り口で分析・構造化し、
電子書籍を出版する構想をしています。)

 

 

このタネあかしは、
「パウロ」の読み方を、キリル・ギリシャ語読みにしただけです。
「パウロ」は、読み方を変えるだけで、
「ポール」「パウエル」「パーヴェル」「パーヴァ」など
様々な読み方ができます。

 

なぜ、「お、何?」になるかというと、
読み方を変えるだけで
「パウロ」という既存で規定の概念から脳の認識は離れ、
全く新しいものとして認識されるからです。

 

読み方を変える、
言語を変える、
これだけで同じ言葉でも、インパクトが違ってきます。

 

ちなみに、私が「ペレヴェスチギミック」と言っているのは
実は「翻訳ギミック」のロシア語読みです。

 

身の回りにもたくさんある「翻訳ギミック」

 

身近な例でいうと、日本語から英語に変えるだけで、
第一印象ががらりと変わっている例がたくさん発見できます。
「販売」→「セールス」
「商売」→「ビジネス」
「要素」 → 「ファクター」
「段階」 → 「ステップ」
「標準」→「スタンダード」
「女性店員」→「セールスレディー」
「電話販促員」→「テレホンアポインター」
「法務相談」→「リーガルサポート」
「勉強会」→「セミナー」
「宣伝文書」→「レター」

 

 

英語だけじゃありません。
フランス語なら
「信頼」 → 「ラポール」
スペイン語なら
「親しい友人」 → 「アミーゴ」
イタリア語なら
「白い、清楚な」→「ビヤンコ」
ラテン語なら
「社訓、理念」→「クレド」
こういう、言語を変える工夫は、お店や会社の名前、商品の名前にもたくさん活用されています。

 

街を歩いて、
「このお店の名前って何?」と着想してみましょう。
あ、こういうことか!という気付きがたくさんあるでしょう。

 

漢字をカナにするだけで、印象がガラリと変わる実例もたくさん見かけます。
「挨拶」 → 「あいさつ」
「有難う」→ 「ありがとう」
「今でも愛してる」 → 「イマデモアイシテル」

 

どうですか?
言語や表記が変わったら、
かえって親しみやすくなったのではないでしょうか。

 

このように、同じ言葉でも
読み方を変える、
言語を変える、
訓読みを音読みにする
漢字表記をカナ表記にするなど、
少し変えてあげるだけで印象やインパクトが大きく変わります。

 

「ペレヴェスチギミック」を作る手順

 

コツとしては、

 

まず、伝えたい言葉、イメージしたい言葉を決めます。
その言葉の読み方、表記の仕方、日本語以外の言語にはどんなものがあるか、日本語でも古典に使われている古語や「やまとことば」にはどんなものがあるか、いろいろ調べて列挙する。
列挙した言葉を書き出して並べてみる
どんな人たちに使うのか(ターゲット)、どんな場で使うのか、どんなタイミングで使うのかを、箇条書きにする

 

その箇条書きしたシチュエーションで、一番マッチしてインパクトが強い言葉を、並べた言葉の中から選ぶ。

 

このように、

 

書き出して
並べてみて
感じてみる

 

このステップで、これだ!と思うものを選ぶと、自分でも驚くほどのタイトルが、
まぐれではなくレシピに則って作れます。

 

 

この記事のまとめ

 

新しい言葉を作る、または、なんでもない言葉に一工夫して、激烈なインパクトを作る方法は、いろいろなところに使われています。

 

この記事では、その手法を3つ取り上げました。

 

まったく新しい言葉を創造することで「おっ!」と目を惹くことができる「新語ギミック」

 

普通の何でもない言葉も、意外な組み合わせで合体させると新しいインパクトが生まれる「合体ロボ方式」

 

いつも目にする言葉でも、読み方を変える、言語を変えるだけで印象がガラリと変わる「ペレヴェスチギミック」

 

そして、いずれにおいても、この手順を実践することで、まぐれではなくレシピに則って作れるようになることも伝えました。

 

3つの手法に共通する手順は

 

伝えたい言葉を決める

 

組み合わせたいいろいろな言葉、いろいろな読み方、表現の仕方を書き出す。

 

書き出したものを並べてみる。できれば10個以上。

 

伝えたいターゲット、伝えたい場、伝えたいタイミングなどを箇条書きする

 

箇条書きしたシチュエーションと、並べたいろいろな言葉を見比べて、一番マッチしてインパクトの強いものを選ぶ

 

この5ステップを、意識的に行うことで、
まぐれではなく、思考に基づくインパクトのあるタイトルを作れるようになります。


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