プロの文章術〜他人の著作を使い、違法にならない5つのルール

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他人の著作をパクってはダメ!自分オリジナルの文章を!と
多くのプロは言うし、私も先日書いたばかりです。

 

しかし、他人の著作を使っても訴えられない合法的な手法があります。

 

ブラックではないこの手法を使うと、
あなたの文章の深みと信頼性が驚くほどアップ!

 

 

「コピペ」じゃなく「キュレーション」で有益な情報を生産する

 

「コピペ」「パクリ」は絶対にダメというお話は
耳にタコができるくらいしてきました。

 

そして、それに変わる考え方は「キュレーション」であり、
キュレーションというのは、
あなたが集めた資料に、分析や考察を加え、
価値を付加して提供するという考え方です。

 

 

つまり、
キュレーションのプロセスで出来上がった情報は、あなたの財産です。

 

ネット上に出回っているいろいろな資料から、
あなたの選択、考察が加えられることで
あなたオリジナルの価値が生まれ、
読者にとって、有益で価値のある

 

あなたの情報になります。

 

「資料+価値=あなたが提供する情報」という公式です。

 

 

キュレーションの考え方については
拙著

時間がない初心者必見!1時間で濃い文章を書く3ステップ!

 

の記事に書きましたので、ご参考ください。

 

他の人の書いたものを使ってキュレーションできる合法的な方法とは

 

でも、
キュレーションするためには
「もともとの集めた資料をブログに持ってくる必要があるし、結局「コピペ」は必要じゃん」
という声が聞こえてきます。

 

いえいえ、
「コピペ」じゃなく、合法的にできる方法があるんです。

 

その活用法とルールを一回マスターすれば、
あなたは、すでに「キュレーター」(キュレーションで価値ある情報を提供する専門家)です。

 

 

 

 

 

その方法、ルールとは
「引用」です。

 

「引用」とはどのような概念でしょうか。

 

まず、ウイキペディアではこの様に説明されています。

 

「引用(いんよう、英語:citation, quotation[1])とは、広義には、自己のオリジナル作品のなかで他人の著作を副次的に紹介する行為、先人の芸術作品やその要素を副次的に自己の作品に取り入れること。報道や批評、研究などの目的で、自らの著作物に他の著作物の一部を採録したり、ポストモダン建築で過去の様式を取り込んだりすることを指す。狭義には、各国の著作権法の引用の要件を満たして行われる合法な無断転載等[2]のこと。
引用は権利者に無断で行われるもので、法(日本では著作権法第32条)で認められた合法な行為であり、権利者は引用を拒否することはできない[3]。権利者が拒否できるのは、著作権法の引用の要件を満たさない違法な無断転載等に限られる。」
(引用元:ウィキペディア  https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BC%95%E7%94%A8 )

 

 

 

つまり、
研究などのために自分の論文に他人の著作物を利用する場合、
本来は、その著作者に許可を頂かなければ、著作権法違反になります。
しかし、特定の条件を満たす場合に著作物を自由に利用でき、
その条件の一つに「引用」があるということです。

 

「引用」を正しく効果的に活用すれば、
より信頼性の高い、
素晴らしいキュレーションコンテンツが出来上がります。

 

「引用」を、正しく使用することで、
自分の文章を深めることもできるし、
客観的な「エビデンス」(つまり、具体的な根拠や論拠)を示すこともできるのです。

 

 

引用とは、どのように使われ、どんな効果があるのか

それでは
「引用」をどのように使い、それによってどのような効果が得られるのか、
考えてみましょう。

 

引用の活用の仕方

引用の活用の仕方はたくさんありますが、
まず知ってもらいたいのが次の3とおりです。

 

自分の考えを証明する

あなたが書いた内容、書いた意見や考えが、
根拠のあることだよ(つまり、「エビデンス」を示す)と、
引用によって示すパターン。

 


「私はこう考えます。これについては、〇〇大学の〇〇教授がこう述べられています」→引用

 

このパターンは、書籍執筆や論文、会社なら企画書や提案書など、
一般的にいろいろな文書のライティングで必須のパターンです。

 

自社の商品・サービスの宣伝や、アフィリエイトでも威力を発揮します。

 

 

他の考えや事例を比較したり検討する

あなたの考えや意見について、
他の考えや意見を具体的に上げて比較したり、検討したりすることで、
あなたの考えを深めるパターン。

 


「こんな意見もあります。」→引用→この意見は、こういうことで、ポイントは〇〇です(自分の言葉で解説)
「全く反対の考え方もあります。」→引用→自分の言葉で解説
でも、こうこう、こういう理由で、私は〇〇と考えます。

 

論文において、考察を深める上では必須です。
先行研究(つまり、自分の研究より先に出されている論文)から引用をし、
それについて自分なりの考察を加えるというプロセスは、
論文では必須であり、必ず先行研究を引用して考察をします。

 

また、この方法は副業ライティングでも威力を発揮します。
このパターンは、商品のレビューやアフィリエイトのライティングでも役に立ちます。

 

 

 

 

本題に入るための話題や題材(ネタ)を示す

話題、題材やネタの具体的なことを引用して示し、それから自分の考察に入っていくという方法です。

 


「○月○日の〇〇ニュースでは、人気スターの○さんが、引退表明をしました。」→引用
このように報道されていますが、私は〇〇と思います。あの○さんが引退だなんて〜!しかもこの時期に!!

 

このパターンはトレンド・ライティングなどで役に立ちます。

 

「〇〇はとっても気持ちいいと、広告では言われています」→引用
→これについて、私は実際に購入して試してみました。(自分の感想)

 

これは、商品レビューなど、アフィリエイトのライティングで威力を発揮します。

 

 

ルールを守って正しく引用しよう

 

著作権法第32条では、「引用」について、
「 [1]公正な慣行に合致すること,引用の目的上,正当な範囲内で行われることを条件とし,自分の著作物に他人の著作物を引用して利用することができる。同様の目的であれば,翻訳もできる。」(著作権法第32条第1項)と定められています。

 

この条文について
文化庁の注釈では、以下のようなルールが説明されています。
「(注5)引用における注意事項
 他人の著作物を自分の著作物の中に取り込む場合,すなわち引用を行う場合,一般的には,以下の事項に注意しなければなりません。
(1)他人の著作物を引用する必然性があること。
(2)かぎ括弧をつけるなど,自分の著作物と引用部分とが区別されていること。
(3)自分の著作物と引用する著作物との主従関係が明確であること(自分の著作物が主体)。
(4)出所の明示がなされていること。(第48条)」
(引用元:文化庁「著作物が自由に使える場合」 https://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/seidokaisetsu/gaiyo/chosakubutsu_jiyu.html )

 

 

このように示された内容は、引用のルールであり、
著作物を引用する場合は、このルールを正しく守る必要があります

 

ではそのルールについて5つのポイントに分けてわかりやすく説明しましょう。

引用できる「著作物」とは〜何でもかんでもOKじゃない

まず大前提として、何でもかんでも引用できるってことじゃないよ
ということを理解しましょう。

 

「引用」は、「公表された著作物」である必要があり、
公表前の研究ノートや下書きなどはNGです。

 

この「公表」は、ブログやSNSへのアップロードも含みますし
「著作物」は、書籍や文章だけでなく、音楽、動画、画像、音声などのコンテンツも含みます。
だから、
ブログ記事や一般公開されているYou Tube動画は、引用できる著作物に含まれます。

 

 

ただし、注意が必要です。

 

 

「引用」の手順を踏んで自分のブログに掲載しても、
その引用したコンテンツ自体が著作権や肖像権などに関する法令に違反している場合です。

 

個人ブログやYou Tube動画を引用する場合によく起こります。
それでアドセンスのアカウントが停止になったという、寒いお話も聞きますので
「引用」をする場合も、その引用先が信頼できるのかは判断する必要があるでしょうね。

 

 

引用する場合、その必要性がなければならない

引用の必要性とは、

 

自分の著作物を書いたり作ったりするための必要性です。

 

他人の著作物を引用して批評や比較検討などをした上で、自分の著作をする場合や、
自分の論考のエビデンスを引用して証明したり、
自分の考えを展開するための問題やネタを提起する場合など、
あくまでも自分の著作物を作るための必要性です。

 

引用の必要性は、自分の本分の文章の中に記載しておきましょう。

 

例えば、
「私はこう思うのですが、その根拠として、〇〇さんの書かれた本の中でこう書かれています。“引用”」
など。

 

 

また、自分の著作物を作るための必要性以外の目的で引用してはいけません。
例えば、集客(アクセスアップ)や販売のために人気スターの動画を引用する場合などは
「必要性」にならないので注意しましょう。

 

「引用」と「自分の言葉」ははっきり区別しよう

引用の部分は「〇〇」や“〇〇”のように

 

括弧でくくって、文言も一切変えずに掲載するようにし、
自分の文章とははっきり特別できるようにする必要があります。

 

特に、引用の部分は一切変更や編集などを加えず
そのままの形で掲載しなければならないことは注意が必要です。
翻訳はOKです。
ただ、私の見解ですが、自分が翻訳する場合などでも
翻訳者名は記載しておいたほうが確実と思います。)

 

 

これらの根拠について、
著作権法第20条「同一性保持権」について以下のように規定されています。

 

「(同一性保持権)
第二十条 著作者は、その著作物及びその題号の同一性を保持する権利を有し、その意に反してこれらの変更、切除その他の改変を受けないものとする。」
(引用元:公益社団法人著作権情報センター「著作権データベース」https://www.cric.or.jp/db/domestic/a1_index.html#020 )

 

ちなみに、
無料や有料の画像素材、動画素材があり、
素材を加工したり商用に利用してもOKというサイトもあります。

 

これらの素材の利用も、「引用」に準じて考える必要があります。

 

加工や商用利用が認められているか、その条件などは、
そのサイト(素材の提供元)で利用規定が決められているので、
それを確認した上で利用しましょう。

 

もちろん、自分のコンテンツ作成以外の目的での使用は、
(例えば、その素材画像そのものを販売するなど)「引用」の原則に違反しますので
注意が必要です。

 

引用元(出典)を必ず明記する


自分の記事などのコンテンツに、誰かの著作物を引用する場合、
引用部分を括弧でくくるとともに、
その引用がどこからなされたのか、という
引用元を明記しなければなりません。

 

どのように明記するかは、

 

その引用元の著作物を読者が確認できること。

 

つまり、

 

書籍などからの引用の場合は、書籍の名称、著者名は必須です。
ネットからの引用の場合は、Webサイト名とURLは必須です。
要は、
読者が、その引用元の文章やコンテンツを確認できることです。

 

なお
論文などを書く場合は学会によって表記の項目や様式が決められていますので確認しましょう。

 

あくまでもメインは自分の文章

「引用」は、あくまでも自分の文章を書くためのものであり、

 

当然、メインは自分の文章です。「引用」はサブです。

 

また、自分の文章は、引用をすることで考察されたものであり、
自分のコンテンツとして作られている必要があります。

 


例えば、こんなブログ記事の場合、「引用」とは認められません。

 

記事タイトル「成功の法則まとめ」
記事内容
成功法則について有名な人達がこんなことを語っています。
「〇〇は□□であり、△だ」
(ビジネスの神様 〇〇さんの言葉から引用)
「□□が〇〇になった」
(引用元:〇〇)
「成功の秘訣は〇〇だ」
(〇〇さんのセミナーからの引用)
(以上)

 

なぜだかというと、
まず、量ですね。
ほとんどが、他の人からの引用になっており、
引用が主になっています。
引用をする場合、あくまでも自分の文章が「主」で、引用は「従」でなければなりません。
また、内容的に見ても
自分のオリジナルの文章にほとんど、考察もなければ独創性もありません。
自分の文章がただの説明だけになっているなどのショボい場合も要注意です。

 

こういう場合、
いくら、引用元をルールを守って表示していて
著作権法で言う引用とは認められず、場合によっては著作権法違反になりますね。
まとめサイトなどでライティングする場合は、気をつけましょう。

 

このように、「引用」のルールを守った上で
「引用」を自在に活用することで

 

内容の充実したキュレーションによるコンテンツを作ることができるのです。

 

これは
車の運転みたいなもんですね。

 

最初、自動車学校で交通ルールを学んだり免許の試験を受けたりするのは大変ですが
それをしっかり理解できた上で免許を取り、
安全にかつ楽しくドライブができます。

 

だから
キュレーションの考え方と引用のルールは、
最初の免許試験と思って、面倒だと思っても身につけてください。
それが一番、最速で効果的なステップになります。

この記事のまとめ

 

 

キュレーションを実際にするときは「引用」を活用することで、自分の考えの根拠を示したり、他の考え方との比較検討や、話題の提起などができ、自分の文章が深まる

 

「引用」にはルールが有り、著作権法などで決められているルールを守って活用しよう。(自分の著作物を作るために必要な理由がある、引用と自分の言葉をはっきり区別し、引用文は一切加工しない、引用元を明記する、引用はあくまで従であり主は自分の文章、その他引用元などで決められている規則など)

 

これらの考え方とルールを頭に叩き込んだら、内容のある文章を、サクサク書けるようになる

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