熊本県南部豪雨、球磨川氾濫〜コロナウイルスと災害の同時対策によせて【緊急投稿】

7月4日から5日に降った熊本県南部の集中豪雨で、球磨川が一晩のうちに増水し、熊本県各地で土砂崩れや大規模浸水が発生しました。
とうとう心配していた事態になりました。

 


(7月5日 球磨川氾濫の航空写真 毎日新聞より引用)

 

コロナウイルスと災害の同時被害。

 

このブログはライティングをテーマにしたブログですが、
私はこの事態を重く受け、社会福祉士として読者のあなたにお伝えしたい、
災害時と災害後自身と家族を守るための内容を急遽書くことにしました。

 

熊本県南部集中豪雨の被害

熊本県南部などを襲った豪雨は、1965年の水害以来、
記録的な豪雨で大規模な被害が拡大していると報道されています。

 

被害の大きい人吉市の近くには、私の古代笛の師匠もおられ、心配でなりません。
今、フェイスブックで安否確認しているところですが、返事がなく
非常に心配しています。

 

現在、自衛隊などが災害派遣で出動し、救援救助活動が行われています。
避難所も開設され、これから避難生活が長引くことが予想されます。

 

私が社会福祉士として最も心配しているのは、
災害救助が落ち着いた後も、生活の問題、暮らしの問題が連綿と続くことです。

 

生活再建の問題にどう立ち向かうか。
私たち社会福祉士の試練です。

 

これから書くことは、長引く困難に立ち向かうために少しでも役立てたら、
そういう思いを込めました。

 

コロナウイルスの脅威と災害が重なった場合

 

コロナウイルスが広がっている環境で、
大きな災害が重なり、避難所生活を余儀なくすることになった場合、
感染のリスクはさらに高まるのではないか・・・・

 

私たちが最も心配していたことです。

 

さらに、感染リスクの高い首都圏などで災害が重なることは十分予想されます。

 

しかし、そのような環境に置かれても、最善を尽くすことが大切です。
特に、高齢者や、赤ちゃんや持病があるなど、免疫力の弱い家族を守ることが重要です。

 


(写真は、昨年、長野県千曲川水害の復旧支援ボランティアに行った時の写真です)

 

不安な時、何が何だかわからない時は、どうすればいいのでしょう?

 

パニックにならず、
周りの人に聞きまくって、マイナスのうわさを高めたりせず、
ビブス(チョッキのようなハデな色の上着)を着用した避難所の職員に相談してください。
まず、役割を持った係の職員に聴くことが大切です。
その人が分からなくても、必ず信頼できる係員につないでくれます。

 

 

避難所に避難する順序を理解しよう

避難所には、一般避難所と福祉避難所があります。
一般避難所は、学校の体育館などに設けられ、
福祉避難所は、医療・福祉的なケアが必要な人のために老人ホームなどに設けられます。
しかし、家族の中に要介護の高齢者の方や病気のある方がいる場合に、
通常は、福祉避難所に直接には避難できないことが原則になっているんです。

 

だから
一般避難所にまず避難して、
そこで必要性があれば、福祉避難所に移動するという手続きになります。

 

ただし、
危険が迫っている場合は
そんなことを言っていられません。

 

一般避難所に移動すること自体が危険な場合もあります。
だから
危険が迫っている場合は
一番近い、安全な場所に避難してください。

 

 

 

過去の熊本地震の時には、
事態が切迫し、
一般避難所と福祉避難所に行く人の分類も困難なことも多くあったと聞きます。

 

これは、何とかしなければならない課題ですが、
現状のところ、
家族に要配慮の高齢の方がいる場合などでも、
まず一般避難所に避難したのち、
市の職員に、福祉避難所への移送を希望するという手続きになっています。

 

だから、
配慮が必要なことは希望してください。
先に書きました、ビブスを付けた職員に事情を話してください。

 

 

病気や高齢なのに一般避難所ですごさなければならない時は

 

福祉避難所は、障害の重い人や、
本来入院している状態で医療が必要な人が優先されますし、
当然、コロナウイルスに感染していることが分かった人は専用の避難所に隔離されると思います。

 

しかし、障害があっても高齢でも、
免疫力が弱いまま、
やむを得ず一般避難所で生活しなければならないことは多々あります。

 

だから
一般避難所には、福祉や医療的配慮の必要な人が
一般の人と一緒になって生活している場合が多く、
そういう人たちには配慮が必要です。

 

 

特に、仮設トイレは重要です。
免疫力の弱い人は、一般のトイレと別にするよう配慮されると思いますが、
もし配慮がなかったら頼んでみる必要があると思います。

 

感染予防だけではなく、心の面でも最善を尽くすことも大切です。
だれかがパニックになれば、
周りが騒ぎ出す、大声を出す、こうした状況で、
自分も騒ぎ出し、何をしているかわからなくなります。

 

将棋倒しなど、二次災害が起こります。
周りに気を取られず落ち着き、
係の職員の指示に従うことは、とても大切です。

 

 

一般避難所にいる災害派遣福祉チーム(DWAT、DCAT)に相談しよう

 

一般避難所の中で福祉や医療で特別な事情のある人には、個々の配慮が必要です。
そのために
各都道府県には、呼び方は「DWAT」や「DCAT」など様々ですが
「災害派遣福祉チーム」があります。

 

私も京都DWATの一員ですが
私たちDWATは、一般避難所にいて、福祉的配慮が必要な人の相談に乗り、
またニーズがあっても相談できない人を見つけ、
必要な配慮につなげるという役目を持っています。

 

また、日本全国から社会福祉士会、精神保健福祉士会、介護福祉士会、
介護支援専門員協会、看護協会などの有資格者が専門的支援に派遣されてきます。

 

だから
一緒に避難してきた人や家族の中に、体が弱く免疫力が弱いなど、
感染防止について特別な配慮が必要な人がいる場合、
係の職員に相談してください。

 

でも
避難所にはいろんな人が働いているので
だれがDWATなのか、誰が社会福祉士なのかわからないでしょう。
しかし、ビブスを付けた職員に尋ねましょう。

 

 

「こうこう、こういう事情で、福祉(医療)のうえで心配があり相談したいのですが、
そういう係の人はどこにおられますか?」
と、ビブスを付けた人に一人と言わず三人、四人に聞いてみましょう。

 

一人に聞いてわからないといわれても、めげずに聞きましょう。

 

かならず、適切な係員につないでくれます。

 

この記事のまとめ

 

コロナウイルスの脅威と災害避難生活が重なった場合でも、最善を尽くすこと
避難所には一般避難所と、医療や介護の必要な人のための福祉避難所がある
まずは一般避難所に避難してから福祉避難所に移送されるということが原則になっている。
しかし、危険が迫っている場合は「指定の避難所」なんか言ってられない。一番近くで安全な場所に逃げよう。
もし自身や家族に医療や介護で特別な配慮が必要な場合は、福祉避難所への移送を申し出よう。
やむを得ず一般避難所で生活する場合は、配慮を希望しよう
希望する際には、ビブスをつけた職員に聞こう。その人が分からなくても係員につないでくれる。
一般避難所には、配慮の必要な人の相談に応じてくれる「災害派遣福祉チーム」(DWAT または DCAT)がいる。

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