マイクロ飛沫感染!?コロナウイルスの予防対策に必須の事とは

最近、コロナウイルスの感染方法の研究結果から
「マイクロ飛沫感染(エアロゾル感染)」という説が公表されました。

 

これまで私達は「飛沫感染」と「接触感染」の対策をしてきましたが、
この新しい説が正しいなら、どんな対策が必要なのでしょうか。

 

これまでとってきたコロナウイルス感染防止対策

 

これまで、コロナウイルスの感染には二通りあり、
咳やくしゃみなどにウイルスが含まれ、それを吸い込むことによる「飛沫感染」、
そしてウイルスが付着したものに触れることによる「接触感染」
が公表されてきました。

 

これに対し、
私達は、

 

 

マスクをしっかり着用する。

 

咳エチケットを守る

 

人と話すときは、距離を開けて話す。

 

距離を開けられない状況では、ついたてやフェイスシールドなどを使う。

 

何かを触る前、触ったあとの手指の消毒をする。

 

手洗い、うがいをきめ細かくする。

 

外出した服は、帰宅したら速やかに着替える。

 

「三密」(密集、密接、密閉)を避ける

 

人との距離感覚をあける(約2メートル以上のソーシャルディスタンス)

などの対策をとってきました。

 

厚生労働省から、公式なポスターが配布されています。
こちらからダウンロードできます。↓

 

厚生労働省 啓発資料・リーフレット

 

 

そして最近、報道された、さらにもう一つの感染方法
「マイクロ飛沫感染(エアロゾル感染)」とは何でしょうか。

 

マイクロ飛沫感染(エアロゾル感染)とは

 

咳やくしゃみから出る「飛沫」は、水分が含まれていて重く、
大きさも5μm以上で、1〜2m飛ぶと言われており、
だから人との間隔を2mほどあける(ソーシャルディスタンスを保つ)ことで感染を防ごうと言われています。

 

しかし、「飛沫」から水分が蒸発したものは、
大きさがその半分以下で、
しかも乾燥して軽くなっているので、
数時間空気中を漂い広く拡散する。

 

この状態のものが「エアロゾルaerosol」
「バイオエアロゾルbioaerosol」
「液滴核droplet nuclei」
と呼ばれています。

 

 

米国国立医学図書館 国立衛生研究所の文献では、「エアロゾル」について以下のように説明しています。(参考まで)
“However, some droplets, when ejected from an infected person, convert to aerosol particles (also known as bioaerosols) with relatively smaller aerodynamic diameters and, consequently, become airborne (Morawska, 2006). Such virus-laden aerosol particles are capable of infecting people who inhale such particles, thereby spreading the disease. Further, there have been several transport phenomena where larger droplets become smaller through evaporation so that such smaller particles are called droplet nuclei. Such aerosol particles with the encapsulation of viruses could be termed as bioaerosols or droplet nuclei; hence, the term ‘aerosol’, ‘bioaerosol’, and ‘droplet nuclei’ is used in this paper interchangeably. The scenarios in respect of the generation of droplets and aerosol, particularly in the indoor environment, have not been adequately understood, and thus, insights into the plausible mechanisms are worthy of being explored. ”
(引用:US National Library of Medicine
National Institutes of Health  https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7293495/)

 

 

この「エアロゾル」を介して感染することを
「エアロゾル感染」と言われていますが、

 

通常、エアロゾルは乾燥しており、
ウイルスは乾燥に弱いので、感染力は失われますが
麻疹や結核、水疱瘡などの一部の病原体では
乾燥しても感染力を失わないと言われています。

 

コロナウイルスが、「エアロゾル」になっても感染力があるか、
現在の所、研究途上ですが、
おそらく、

 

密閉された、湿った空間では、生きた状態で5時間ほど空中を広く漂い
「エアロゾル」の状態で感染する
「エアロゾル感染」が起きうると報道されています。

 

最近のNHKの番組で、以下のように「エアロゾル感染」について紹介されました。

動画 NHK NEWS WEB 「マイクロ飛沫感染」を予防するために

 

(引用元:NHK NEWS WEB 「マイクロ飛沫感染」を予防するために
https://www.facebook.com/watch/?v=218766119229773 )

 

この動画の中で、部屋の換気の必要性が述べられ、

 

できれば2箇所窓などを開けて空気の流れを作ること、
また、近距離で話すことの危険性について注意喚起され、
マスクをしっかり着用することが勧められています。

 

マイクロ飛沫感染(エアロゾル感染)の学術的な評価は

 

このエアロゾル感染の説の真偽について
ノーベル賞を受賞されたことで有名な、京都大学iPS細胞研究所の山中伸弥教授は、
以下のように言及されています。

 

「(感染)
・微小粒子で数時間生存し、感染の原因となる
 (咳やくしゃみ、大きな声で話すことにより発生する飛沫のうち、数十マイクロメーター以上のものは、速やかに地面に落下します。一方、数マイクロメーター以下の微小粒子は空中で数時間漂います。マイクロ飛沫、エアロゾル、バイオエアロゾルとも呼ばれます。空中に長時間漂う微小粒子による感染は、エアロゾル感染や空気感染と呼ばれます。麻疹はエアロゾル感染で広がることが知られています。新型コロナウイルスは、換気などの条件によってはエアロゾル感染する可能性も示唆されていますが、さらなる証拠が必要です)」
(引用元:山中伸弥による新型コロナウイルス情報発信   https://www.covid19-yamanaka.com/cont7/main.html)

 

つまり、
それが正しいかどうかは、まだ証拠(エビデンス)が不十分ですが、
こうした感染が起こりうると考えて、注意が必要であると私は思います。

 

マイクロ飛沫感染(エアロゾル感染)を防ぐには

 

コロナウイルスが、マイクロ飛沫感染(エアロゾル感染)をするかどうか、
このことについては
科学者に任せるとして、

 

私達一般の人々は、何に注意すればいいのでしょうか?

 

結論から言います。

 

換気のされていない、人が入集している場所に行かないこと。
劇場や教会、飲食店などの担当者は、空気が滞らないように、きめ細かく換気し、できれば2箇所窓などを開けて空気の出入りを確保すること。
やむをえなく、空気が滞っている場所を通るときは、しっかりマスクを着用すること。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つまり
いま行っている取り組みをしっかりすることですね。

 

 

なぜなら、基本的な感染対策は変わらないからです。

 

 

「マイクロ飛沫感染(エアロゾル感染)」が正しいとすれば、
コロナウイルスは、空気が淀んだ密閉されたところでは、
普通より長時間空気中をふわふわ漂っているということであり、

 

普通より長時間漂っているウイルスを吸い込まないようにすることが大切です。

 

要は、マスクの着用、人との距離を保つ、
三密を避ける。
こうしたこれまでの予防対策をしっかり取ることが大切。

 

報道で「新しい感染」と伝えられても、
動揺することなく、
過敏に神経質にもならず、

 

日頃やっていることをしっかりやりましょう。

 

この記事のまとめ

 

コロナウイルスの新しい感染経路として「マイクロ飛沫感染(エアロゾル感染)」が報じられた
「マイクロ飛沫(エアロゾル)」とは、咳やくしゃみなどの「飛沫」から水分が蒸発して軽くなった状態で、数時間空気中を漂う。
コロナウイルスが「マイクロ飛沫(エアロゾル)感染」するかどうかは研究途中であるが、私達は三密を避け、換気されていない場所に行かないこと。もしやむを得なく行く場合はしっかりマスクを着用すること。
劇場や飲食店などでは、定期的な換気をすること。

 

 

自分を守り、
そして大切な人を守るために、

 

しっかり感染防止対策をしていきましょう。


ページの先頭へ戻る