感情が7倍豊かになる文章力〜耳と心だけで映画を作る強力な魔法とは

感情のこもった文章を書く。
それは簡単なようで難しいかもしれません。けっこう、このことで悩んでいる人は多い。
この記事では、
映像のないところでいかに、映画館のように鮮明な映像表現を相手に伝えられるかという、
魔法のかけ方をお伝えします。

 

 

絵のないところで絵を心に伝える

 

先日投稿した記事では、
絵本の読み聞かせや、紙芝居の話をしました。

 

絵本や紙芝居の絵を見せながら、
なぞかけや問いかけなどのコミュニケーション、
話の間合いやリズム、
強弱などをつけ、

 

小さい子供が引き込まれるような読み聞かせをすること、

 

その読み聞かせにこそ、
感情豊かな文章力を鍛えるヒントが詰まっているというお話でしたね。

 

詳しくは
先日のこの記事をご覧ください。
 ↓
文章の感情表現が苦手な人へ〜幼いころの感動力はよみがえる

 

今日の記事では、
絵本などのように絵があるケースではなく、

 

絵や映像のないものから、
いかに絵や映像を心に映し出せるかというお話しをします。

 

まさにこのことが習慣になったら、
強力な感情表現をマスターしたのも同然です。

 

父がしてくれた歴史話

 

先日の記事では、母が絵本を読み聞かせてくれたお話をしましたが、

 

小学校のころは、私は父と一緒に寝ていて、
寝るときによく父は、歴史の話をしてくれました。
父は社会科の先生で、
特に、日本と世界の歴史は自分でも研究していて、詳しかったのです。

 

父のしてくれた歴史の話は、
難しくありませんでした。

 

小学生の私が、楽しく想像できるように、
ストーリー豊かに
おもしろく、
物語を話してくれました。

 

信念の武将 楠木正成の話、
幻想の画家 ウイリアム・ターナーの話
努力の学者、渡辺崋山の話、
愛と誠実の名将 高山右近の話、
今でこそ話題になっている明智光秀の裏話
知恵と教養のお母さんでもあった細川ガラシャの話
みじんの暴力も許さずに戦争に立ち向かったガンジーの話
ナチスにたった一人で立ち向かったマキシミリアノ・マリア・コルベの話、
あきらめない執念の伝道者 鑑真和尚の話、
世界戦略家としての坂本龍馬の話、
そして
私のご先祖様の話、
毎日1トピックはお話ししてくれました。

 

 

父は子守歌代わりにお話ししていたつもりのようでしたが、
私は、興味津々で眠れず、寝たと思ったら
坂本龍馬兄と鳥の水炊きを食べている夢を見たりしていました。

 

思うに
父が私に語り聞かせてくれたお話しは
私の頭の中で、まるでテレビか映画のように
映像が展開し、想像が展開していたのだと回想されます。

 

心に映像が広がる朗読の世界

 

例えば、詩の朗読。
言葉の一つ一つを大切にし、
言葉の響き一音一音を大切にし、

 

リズムをつけ、アクセントをつけて朗読する。

 

 

目をつむって朗読を聞くと、
詩の醸し出す映像が
頭の中にいっぱい広がるのではないでしょうか。

 

 

あと、

 

ラジオ番組では、
ラジオ小説が放送されていますね。
ここでも
テレビのように映像は流れないものの、
頭の中ではありありと、
情景がうかんでは移り変わっていくことが体験できます。

 

 

また、
強烈に私の印象に残っているのは、
信州に温泉旅に行ったときに
川中島の古戦場跡に行き
そこで「講談師」のご婦人の講談を聞いたことです。
講談師は
武田信玄の本陣に
上杉謙信が自ら乗り込んできて切りかかるその場面を
語りだけで、
まるで今、謙信が切込みにかかってきたように、
リアルに、感情満載で語り演じていました。
あの時ばかりは、講談を聴きながら
体が逃げ腰になっていたことを思い出します。

 

 

心の映像をリアルに映し出す、語り手と聞き手の相互作用

 

こうして
いろいろ挙げてみると、
私たちの周りには

 

映像もないのに
画像もないのに、
頭の中に、心の中に、
リアルな映像が映し出されることがいっぱいあります。

 

実際に
語りや朗読を体験してみると、

 

聞く側としては
何の絵も映像もないところに
想像力だけで
ありありと心に映像を描き出せる。

 

そして、
語る人、
朗読する人は、

 

聞き手が想像しやすいように
かみ砕き、
アクセントとリズムをつけ
表現し、伝えていく。

 

 

この
語り手と聞き手の相互作用の中に、
素晴らしい感情表現が実現します。

 

 

もし、
あなたに時間があるのなら、
ぜひ、テレビやパソコンの画面を消し、
ラジオの朗読番組や、ラジオ小説などを
目をつむって聞いてみましょう。

 

感情をリアルに表現し、
相手に映像まで想像させる技を
体験しながら身につけることができます。

 


ページの先頭へ戻る