避難勧告や避難指示が発令されたら〜コロナウイルス脅威下での災害避難

先日突然起こった熊本県南部の集中豪雨。
球磨川の氾濫で、人吉近郊に在住の古代笛の恩師に連絡が取れず、まだ心配しています。
この記事では、災害発生時の避難のときの落とし穴についてお話しします。

 

 

近隣で声を掛け合い、雨風が穏やかでも早めに避難

 

 

まず、怖がらないでください。
一人じゃありません。
隣の人、近所の人に声を掛け合い、助け合っていきましょう。
日ごろ仲の良くない近所の人でも、そんなことを言っている場合ではありません。
こういう時こそ、仲直りしたり、仲が良くないことは棚に上げましょう。

 

また、地域で案内される避難情報、指示をよく聞き、
落ち着いて従うようにしましょう。
「この地域の方は
どこどこの避難所に避難してください」
というアナウンスや、スマホなどでも掲示板が立ち上がったりするので
指示をよく聞きましょう。

 

そして、
状況が穏やかでも、動けるうちに避難することを強く勧めたい。

 


 

 

ここで私の苦い経験(というかヒヤリハット経験)ですが

 

まだ実家に住んでいた時、
水害が予測されるので公民館に避難してくださいと言われました。

 

しかし、
周りの景色は日ごろと変わりなし。
雨風もそんなに大したことはなかったし、
公民館なんかに避難したら、近所の大嫌いなオッサンと一緒にいなければならないと思い
のんびりしていました。

 

そうしたら瞬く間に川が氾濫、
2時間ほどのことです。

 

慌てて避難しました。

 

もう少し遅れていたら、移動すらできなくなるところでした。

 

 

だから、
避難の呼びかけを聴いたなら、

 

周りの景色や状況が穏やかでも、
早めに、動けるうちに避難すること。

 

あっという間に増水してからでは、
移動すら危険になる。

 

そうなってしまったならば、
指定の避難所などと言っておられず、
一番近い安全な場所を判断してそこに逃げろ。

 

災害が起きて避難するときの、意外に見落とされがちなこと

 

それでは、自然災害で避難するときに
意外と見落とされがちなことを列挙してみます

壊れかけた建物と余震に注意

地震や土砂災害の後の建物は、見た目と実態が違うので注意が必要です。
一見しっかりしているように見えても、
急に崩れたり、何かが落ちてきますので
崩れた建物のそばや、塀のそばには行かないように。
「立ち入り禁止」の場所はもちろんのこと、
「禁止」が表示されていないところでも、危険が起こります。

 

特に、「半壊」や「一部倒壊」の建物は危ない。

 


(※ 写真はイメージです。PIXABAY提供)

 

そして
大きな揺れが収まったからと言っても、安心できません。

 

熊本地震の時でも、余震が何回もあり、その余震で負傷された方が多いです。
大きな揺れで、建物や地盤にダメージが生じ、
中には見た目では崩れていないのに内部が崩れている場合があります。
こうした場合、その後の小さな揺れでも、物が落下してきたり、
ブロック塀が倒れてきたりします。
とても危ないので、アナウンスや指示に必ず従ってください。
「大丈夫そうだから、見に行く」
「もう安心できそうだから出歩く」
というのが一番危ないので、くれぐれも気を付けましょう。

 

一見普通の地面が陥没する、見た目は大丈夫な斜面が急に崩れる

地震の後は、一見何もないように見えていても
内部がズタズタのことが多くあります。

 

少しの余震で、急に崖から石が落ちてくる、土砂崩れが起こる。
一見平坦な路地で、ちょっと踏んだらボコッと落とし穴のようにはまる、
こうしたことがあるので注意しましょう。

 


(※ 写真はイメージです。PIXABAY提供)

 

地震の後の雨には特に注意

地震が起こった後に、雨が降ったら特に注意が必要です。
地震でゆるんだ地盤が、雨でもっと緩みます。
さらに土砂崩れが起こったり、
物が落下してくる可能性など、危険が増えます。

 

地震の後の火災の多くが、電気が復旧したときに起こった

阪神大震災では、暖房をつけ始めたころに起こったので、
地震だけでなく大火災になりました。
しかし、火災の原因はこれだけではありません。

 

地震が起こると、たいがい、電力会社が送電を停止します。
そして、事態が収まると、送電が再開されますが、

 

 

ここが危ないのです。

 

 

つけたままの電気機器がいったん止まり、
給電が再開されると気づかないままに、また動き出します。

 

電気ストーブ、電気コンロなども動き出し、そこに可燃物があると
火がつきます。

 

突然の通電でスパークが起こり火花が出ることもあります。

 

だから地震が起こったら、電気機器の電源を切るなどの注意が必要です。

 

しかし、コンセント自体がつぶれて感電することもあるので、さらに注意が必要です。

 


(※ 写真はイメージです。PIXABAY提供)

 

ガス漏れにも注意

 

火災と同じく危険なのがガス漏れです。
地震でガスの供給が止まります。
そしてガスの供給が再開された時に、つけたままのコンロからガスが出て
ガス漏れや爆発が起こったことが過去にありました。
この教訓で今日では安全対策がされていますが
まだ起こるかもしれません。

 

ガスの元栓は必ず確認して閉めましょう。

 

コロナはもちろん、傷からの感染、インフルエンザなどのリスクも

災害では何もかもがぐちゃぐちゃになり、衛生管理も不十分になります。
そんな中で感染症が広がりがちになります。

 

できるだけ衛生管理に気を付けましょう。

 

手を洗えるなら、手洗いをする、
きれいな布や紙で拭くなど
いつもよりも衛生に気を配るくらいの気持ちが必要です。

 

特に、コロナ対策のことで、
人との距離をとる、ビニールカーテンを使用するなどの対策が平時からとられていますが、
災害直後はこうした配慮が十分確保できるとは限りません。
特に、家族に持病のある人、免疫力の弱い人がいるときは配慮が必要です。

 

何も言わなければ、
他の人と同じような場所で
混みあった中で過ごさなければならないでしょう。

 

だから、
「言う」。

 

ビブスをつけた職員を呼び止めて、言ってください。
「母は、大きな病気から退院したばかりで、
ちょっとした風邪でも感染したら命取りになります。
どうか、
生活場所やトイレなど、
ご配慮くださいませんか?」

 

 

もちろんすぐには、解決しにくいこともあるでしょう。
しかし、必ず、何かの対策を考えてくれます。
だから、
「言う」。
これを忘れないで。

 

コロナも怖いが、パニックを起こすことも怖い

災害が起こると、
多くの人が通常の心理状態ではなくなります。
周りが騒ぎ出す、大声を出す、こうした状況で、
自分も騒ぎ出し、何をしているかわからなくなります。

 

こうなったら、
パニックで人がけがをしたり、将棋倒しなど、二次災害が起こります。
周りに気を取られず落ち着けるようにしましょう。

 

また、
じわじわとくるパニックもあるんです。
それは
心のパニックです。
報道、ネット、SNSで根拠がないことが流れると、
ついつい信じ込んで、ネガティブなこと、不安ばかりが独り歩きし、
話題に広がります。

 

しかし、根拠のないことに恐れたり、心を動揺させていたら
何ら解決につながらないことを覚えておきましょう。

 

通帳・権利書・印鑑はなくなってもよい

 

通帳などを取りに戻って、その間にさらに災害に巻き込まれ、
けがをされる方も多くいました。

 

 

生命第一です。
こうしたものは無くなっても何とかなります。

 

通帳、登記書などは、再発行してもらえますし、
印鑑がなくても、こうした災害の場合、拇印での配慮もされます。

 

実印も、また違う印鑑で登録すればいいんです。

 

ペットのこと

ペットを連れて避難する人もたくさんおられます。
ペットは困るという声を気にしておびえがちですが、

 

ペットも大切な家族です。

 


(大阪北部震災と集中豪雨の中、助かった、わが家の娘 ユスタちゃん)

 

 

避難所の職員もこのことは十分理解しています。

 

大切な家族であるペットを守る権利は当然あります。

 

もちろん、周囲の人への配慮から、避難所内で過ごせるスペースは指定されるかもしれませんが、
ペットのことで心配しないでください。

 

ペットを連れて避難し、
避難所での過ごし方を、職員に相談しましょう。

 

避難所では、ペットを連れて避難する際のルールを決めて、ペットも守ってもらえます。

 

 

この記事の要点

今回長い記事になりましたが、次のようなことをお話ししました。

 

必ず何とかなります。

 

絶対に希望を忘れず、落ち着いて行動しましょう。

 

近隣に声を掛け合い、アナウンスや指示に従って行動する
状況が穏やかなうちに早めに避難する。危険が切迫してしまったならば一番近くで安全なところに逃げる。
大きな建物のそばに行かない。(一見しっかりしてそうな建物や壁が倒れる)
「おさまった様だから見に行く」行動はしない
一見何事もない地面が急に陥没する
ガス、電気は元から切る。復旧したときに火災が起こる危険
破傷風、インフルエンザなど感染対策に注意。
配慮の必要な人がいるときはビブスをつけた係員に申し出る。まず「言う」こと。
うわさやマイナスの報道に振り回されない。
通帳や印鑑はあとで何とかなる。
ペットも家族。必ず配慮してもらえる。

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