カニ解禁は11月!世界一のカニ達人の戦略的思考に出会った衝撃の瞬間!!
2020年の国産カニの解禁は11月6日。
中でも丹後のカニは、身が詰まっていて歯ごたえもいい。
私が大好きなペンションのオーナーは、このカニをこだわりぬいてチョイスする達人です。
彼が価値にこだわり、目利きして提供するまでの思考とそこからの気づきとは?
カニ漁解禁の11月6日を前に
今年のカニ漁解禁は、11月6日です。
この日をずっと待ちわびています。
なぜって?
実は私は毎年、世界一(正確な言葉でいうと「世界オンリーワン」)のカニを
おなかいっぱい食べて幸せになるからです。
この幸せなお話にはじまりは、7年ほど前にさかのぼります。
まるでノルウェーのマリンリゾートのようなペンションに出会って
あのころ、
妻と二人で、丹後の久美浜をドライブしていました。
久美浜のあたりは、ご年配・ご家族向けの民芸調や和風のお食事どころが多くて、
若者(?)の私たちは、洒落たお店はないものかとアンテナを立てていたのですが、
そうすると
海岸に、発見しました!
洋風で
まるでオスロ郊外のオースゴールストランのマリンリゾートを思い出させるような、
とてもお洒落なペンション・レストラン!
さっそく中へ。
お店の外観もステキでしたが、
食器や、灰皿に至るまで、
花や、愛をモチーフにしたこだわりがあって
「こんな素敵なこだわり、誰が考え出したんですか?」と
インテリアや小物にかなりのこだわりのある妻が
ついついお店の奥さんと話し込んでしまい、
仲良しになりました。
話によると、
ここのペンションのご夫婦はもともと、地元の人ではなく、大阪の人でしたが、
この地に来て運命的な何かを感じ、ここで、素敵な楽しみや喜びを伝えていけないかと、
カニのお店、そして、ペンションとマリンジェットのレンタルを始めたそうです。
海を見たことのない女の子をマリンジェットに乗せてあげる
ちょうど、私は船舶免許を忘れずに持ってきていたので、
さっそくマリンジェットを借りて、
久美浜湾をブッ飛ばしました。
(普段はおとなしくて穏やかな私ですが、
マリンジェットに乗るとかなり、わんぱくになります)
もう、ペンションの皆さんと意気投合して、
挙句の果てに、とても気にいったバラのモチーフの灰皿をもらってしまいました。
ここのマリンジェットは、とても気に入って、
翌月にも行きました。
ちょうどそのころ
私達夫婦はボランティアで、中国から勉強に来た女の子二人に経験と学習の支援をしていましたが、
彼女らを後ろに乗せて、マリンジェットで広い海を思いっきり走りました。
もう喜んだわ、喜んだわ・・・
それもそのはず、
彼女らは中国の内陸部に住んでいて、
日本に来て海を見たのは、しかもこんなにきれいな海を見たのは、
生まれてはじめてだったのです。
拙い日本語ですが
「初めて見た〜」
「わあー!キレイ!!!」
と歓声を上げていました。
きっと彼女たちにとって、一生の思い出になったと思います。
思い出を作る、
一生の記憶に残る、いい思い出を。
それは素晴らしいことだと、いまになっても思います。
そしてもう一つの衝撃的な思い出
それは
カニです。
かえりがけにペンションの奥さんが、「帰り道に、主人に会って行ってください。
道路沿いに、カニのお店がありますから、
そこで大声を出して頑張っている元気のいいのが、主人です。」
こうして、カニのペンションのオーナーと運命的な出会いをしたのです。
究極のカニマスターとの運命的出会い
ペンションを後にして、しばらく車を進めていると、
道沿いに、いかにも大漁旗のような看板を見つけました。
ここが、先ほどペンションの奥さんの言っておられた、ご主人のお店です。
駐車場に止めて車を降りるなり、
お店から威勢のいい声が聞こえてきました。
カニというより、エビのようにぴちぴちと声を張り上げているご主人です。
ここでは
活きたカニや、茹でたてのカニも売っていて、
持ち帰りのカニスキのセットや、贈り物用の宅配便も扱っています。
お店に入って
並んでるわ、並んでるわ、
真っ赤に茹で上がった、浜ゆでしたばかりの大きなカニ!
このカニを
アツアツのまま何もつけずに
ワイルドに食べました。
ホクホクっ!
ジュワーッっっ!!!!
うんめ〜!!!!!!!
思わず叫ぶ。
ほくっと甘い香りと味が口の中で広がって、
「こんなにうまいカニは初めてだ!!!」とうなってしまいました。
しかし、私が感動したのは
カニの素晴らしさもさることながら、
オーナーのカニに対する思い、
カニに対するこだわりがハンパないことです。
カニの旨さの秘密は、思考にある
そのオーナーのこだわりと思考が、
さっき感動した、うまいカニを生んでいるのです。
それは、オーナーが、世界オンリーワンの価値を生み出す思考であり、
そして、胸がスカッとするほどの誇りでもあります。
これは形にはないものですが、カニのおいしさを創造している正体なのです。
この思考に出会い、私は、カニのことだけではなく、
仕事にも、趣味にも、あらゆるところでオーナーの思考を生かしています。
津居山漁港に水揚げされる「津居山カニ」ブランドの意味とは
ズワイガニは、沿岸にいるわけではありません。
日本海の「やまとたい」のへんに多く生息しており、
生息地あたりまで航行して、設置しておいたカニカゴを引き上げます。
山陰のズワイガニも、
若狭のズワイガニも、
丹後のズワイガニも、
沖の深海底からとってくるので、
同じものであったりします。
どこの港に水揚げされるかで
津居山カニ、舞鶴カニ、越前カニ、間人カニなど、
呼び方が違うわけです。
水揚げされ、傷や足折れなどがないか、漁協関係者に丹念に検品されて
合格したカニは
その水揚げ港の固有の色のついたタグがつけられます。
料理屋や旅館に出してもよいという品質の証明であり、
津居山港に水揚げされてタグがついたカニのみ
「津居山カニ」のブランドがつくのです。
ただ、
このタグは、「品質の証明」になります。
どういうことかというと、
「品質の証明」というのは
変なものやしょぼいものはありませんよ という
最低の基準をクリアしているということを意味しているのであり
「最高のものですよ」という意味ではないということを
意外と多くの人は知りません。
「津居山カニ」ブランドの秘密
それは
「舞鶴かに」ブランドでも「間人カニ」ブランドでもほぼ同じ。
そのブランドの意味は
最低評価基準を満たしているという意味であるということです。
ペンションのオーナーは、
その最低基準を満たしたカニの中から、
オーナーの思考の中にある最高基準で
さらにチョイスするんです。
オーナーの頭脳と心と思考を通ったカニに出会った感動は
それは
胸から心臓が宇宙に飛び出していくくらいビックリです。
カニ達人の戦略的思考
さて、オーナーの戦略的思考はここからがスタートです。
タグつけまでは、漁協関係者がしてくれる。
オーナーの出番は、ここからです。
「良いものの中の、最高のものを選ぶ
目利き、鼻利き、第6感効き」
です。
最高のものを選ぶためには、
その基準とこだわりがあります。
オーナーにいろいろお話を聞きました。
オーナーは目をキラキラさせ、こう言います。
「自分がホンマに食べたいと思うもん、
それで
ぼくが選んだんや、と自信をもって出せるもん
そういうもんがなかったら買わんよね。」
実際に、いくらタグの付いたカニが多くても、
1パイも買わずに帰ることもしばしばだそうです。
兵庫但馬は津居山の港。水揚げ直後のセリ場
ここは、
オーナーならではのチョイスが問われる場であって、
そのチョイスの質に誇りがあるからこそ、
その質を下げるようなチョイスは絶対にしない
そこはオーナーの真剣勝負があるわけです。
見た目が良くても、味が良いかどうか
身や味噌がおいしいかどうか
甲羅に付着している黒いぶつぶつの「カニビルの卵」がたくさんあるか、
その日の月齢、潮汐
はさみや足がしっかりしているか、
そのカニがかもしだしているオーラまで見極めます。
10年以上の歳月を海底で育ち、オーナーの目に留まるときが来たカニです。
次の記事では
この、世界一のカニをフルコースで食べたお話と、
こんどは、
食べる側の戦略的思考についてお話しましょう。
世界一のカニを選ぶ達人がオーナーであるなら
世界一のカニを食べる達人が、実は私なんです!(笑)
羨ましがらずにぜひ読んでください。
読んだ瞬間から、
あなたのカニの食べ方が、旨さの世界が変わります。